私たちのカトリック吉野幼稚園は世界で展開されているモンテッソーリ教育の実施園です。
モンテッソーリ?
はい、私がマリア・モンテッソーリです。モンテッソーリ教育の創始者です。1870年8月31日(明治3年)イタリアに生まれました。ローマ大学医学部で学んだあと、発達遅滞児の教育に従事しました。その後、再び大学に戻って、実験心理学を学びました。1907年、ローマの貧しい地区にある「子どもの家」に赴任。子どもたちのためにいろいろの教具を開発したのが始まりで、その後多くの支持を受けて普及し、現在の形に統合されました。私の名をとって、「モンテッソーリ教育」と呼ばれるようになりました。
編集者注[1950年ノーベル賞候補にもあげられました。1952年(昭和27年)帰天。享年82歳]
どんなことをするの?
➊五領域を体験する
各クラスには分野別に特別に考案された教具が設置されています。文部科学省の五領域に対応しています。モンテッソーリ教育では、日常生活訓練教具、感覚教具、数の教具、言語の教具、文化の教具の五分野です。
①日常生活訓練教具
日常生活に必要な指先手首のスムーズな動き(握る、切る、貼る、ひねるなど)を助長する教具です。字を書いたり、ものを運んだり、衣服の着脱など全ての活動の基礎となる大事な「おしごと」です。
②感覚教具
五感をフルに使って物の持つ特性と出会うことを促します。堅い、柔らかい、すべすべ、ざらざらにはじまり、美しい物を美しいと感じる敏感な感性を磨く教具です。
③数の教具
子どもの数に対する興味は三歳頃に芽生えると言われます。数の概念が具体的なものと数という抽象的な概念と一致したとき「数を理解した」ことになります。その上で、奇数、偶数といった数の特質に気づき、数の増減といった動的な特質にも出会うようになります。
④言語の教具
いわゆる読み書きの分野です。ここで大事になるのが鉛筆を握る力と適当な筆圧の問題です。全て日常生活訓練分野で身につけたことが基礎になります。
⑤文化の教具
子どもたちは世界の国々にも目を向けながら各国の国旗を学ぶことを喜びます。
➋おしごと
子どもたちはクラスに入ると自分の好きな「おしごと」を選んで主に一人でこなします。もちろん、最初は教師が扱い方を提示します。子どもは黙ってそれを見ます。「自分もやってみたい」と思ったら、同じ手順でやってみます。楽しいと思ったら子どもは何度でも繰り返します。これを、五つの分野すべてわたってすることになります。
❸クラス編成
クラスは異年齢の子どもたちで構成する縦割りを基本とし、必要に応じて年齢別クラスになることもあります。縦割りの理由は、一番小さな社会である家庭が異年齢で構成されていることによります。クラスもまた異年齢の子どもたちで成り立つ小さな社会です。年齢の高い順にAさん、Bさん、Cさん、Dさんと呼んでいます。Aさんになると下の子供たちのお世話係になります。
人格形成と知的発達のキーワード
こうして、子どもたちは年齢や興味の違いに応じてさまざまな教具を扱うことを通して、自らの意思で選ぶことができる自主性を身に着け、自立した大人になる基礎を築いていきます。落ち着いて「おしごと」に専念してもらうためにクラスは静けさを旨とします。こうすることで、子どもの集中力を高め、その結果、十分取り組めたという満足感と達成感を味わうことになります。そういう大切な作業をしているので遊びではなく「おしごと」と呼ぶことにしています。「おしごと」の成果のもう一面は落ち着きと他者への思いやりです。
本園の特色
次のようにまとめることができます。
- カトリック精神の中心をなす他者を大切にする心や素直な心、感謝の心を育む。
- モンテッソーリ教育に基づき、幼児は様々なモンテッソーリ教材の中から自分の興味や発達に応じて教具を自由に選び活動する。
- 教師は一人ひとりの子どもの選択と活動を尊重し、援助する。
- 3~5歳混合の縦割りクラス編成。異年齢の子どもが一緒に生活することは、お互いを尊重し、思いやりの心や優しい心が共に育ち合う好結果を生む。
私たちの願い
- 子どもたちが生きる喜びを感じる幼稚園
- 子どもたちが愛されていると実感する幼稚園
- 子どもたち自身が力を出して心とからだの調和あるたくましい成長
- 発達を遂げる「子どもの家」
- 子どもの心と教師の熱い思いの出会う幼稚園
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「愛された」実感を味わって卒園する幼稚園
*モンテッソーリ教育についての詳しい解説は「モンテッソーリ教育」参照。